●声門閉鎖って何ですか?
声門閉鎖とは、声帯を閉じることです。
発声における声帯の動きについては、じつは、まだ完全には科学的に解明されていません。
謎の部分が残っています。
このため、「発声のときに声帯は閉じている。わざわざ声帯を閉鎖する必要なんかない」という人が存在したりします。
しかし声練屋は、この考え方にくみしません。
声練屋は、発声のとき声帯は閉じていない、と考えます。
声門閉鎖は、意図的に脳みそへ指令を出さない限り、決して起こりえないものです。
もちろん、いろいろな癖の人がいますから、常時、脳みそに「声門閉鎖しろ!」と指令を出している人もいます。
ナチュラルに声門閉鎖している人ですね。
こういう人は、たしかに「発声のときに声帯は閉じている。わざわざ声帯を閉鎖する必要なんかない」と思いがちかもしれません。
しかし、こういった人は少数です。
ふつうの多くの人は、ふつうに声を出す場合、声帯が開いています。
ぶつかったり接触することはあります。
たとえるなら、ダブルリードです。
チャルメラやオーボエなど、ダブルリードの楽器を思い出してください。
あるいは、草笛でもいいです。
草笛にもいろいろありますけど、草の茎の内側を取り除き、茎の外側だけ残し、ストローみたく中空にした草笛を鳴らした経験はありませんか?
人の声帯の動きは、ああいったものです。
閉じてないですよね?
草の茎を閉じるほどつぶしてしまったら、音は鳴りません。
閉じないていどに、つぶれきらないていどに、やさしく人差し指と親指で、草の茎をせばめたことだろうと思います。
声門閉鎖は、声帯を閉じます。
草の茎を、ぴったり押しつぶすようにすることです。
もちろん、呼気を排出しなければいけませんので、閉じるだけでなく、ゆるめることもしなければいけません。
でないと、閉じっぱなしで、声が出てこないですからね。
まぁ、ゆるめるのは簡単ですけれど。
下世話なたとえで申し訳ないですけど、オナラみたいな感じです。
オナラを小出しにするとき、ゆるめるのは簡単ですよね?
基本、閉じるほうにだけ意識を向ければいいです。
だけど、閉じっぱなしじゃ、オナラは出ないです。
出すには、ちょっとゆるめる必要があります。
ちょうどあんな感じです。
ほんと、たとえが悪くて、申し訳ないですけど…。