●肺活量が足りなくて、息がもちません。どうしたら肺活量が増やせますか?
息がもたないことと肺活量とには、何の関係もありません。
声練屋は老体なので、肺活量はかなり少ないですが、一般的なJ-POPで、息がもたなくなることはないです。
体力がなくバテバテになって、歌うこと自体をあきらめることはありますけどね…。
息がもたなくなる理由は、歌い方にあります。
呼気のエネルギーを無駄づかいするような歌い方だと、息は続かなくなりがちです。
吐息の多い歌い方などですね。
吐息には上音がたくさん含まれているため、とても情感的な声になります。
このため、歌唱の世界でも、わざわざ吐息を含ませて歌うプロ歌手が多く存在しています。
あなたがプロ歌手をめざしているなら別ですけど、そうじゃないなら、呼気のエネルギーを無駄づかいする必要性はないと思います。
ちなみに、息は、吸いすぎると息苦しさが増します。
血中二酸化炭素濃度が水準よりも高くなると、人は息苦しさを感じるようにできているからです。
血中の二酸化炭素の濃度を下げる方法は、息を吐き出すことです。
息苦しくなったら、息を吸うのではなく、息を吐くのです。
水泳の経験者なら、水面から顔を出したら息を吐く、ということはご存知でしょう。
水泳のブレスでは、息は吸うな、吐け、と教わるらしいです。
歌唱の場合も、ブレスの基本は、まず息を吐き出します。
吐いたあとに吸うのです。
でないと苦しくなるからです。
もちろん、語尾で息をいつも吐き出していたら、ノイズだらけになり、聞く側にとって聴き心地が良くありません。
それを味に変えているプロ歌手もいますけどね。
息は、ですので、使い方しだいで毒にも薬にもなったりします。
ともかく、肺活量と息苦しさとには、何の関係もありません。
歌い方を見直してみてください。